るる子の祖母は、自他共に認める健康おばあちゃんでした。

残念ながら100歳には届かず長い旅路に出てしまいましたが、直前まで寝たきりになることもなく、

元気な元気なおばあちゃんでした。

おばあちゃんの健康法は多岐にわたりますが、今日は「毎晩の異音」についてお話します。

 

夜になるとるる子の家には、ドスンドスンと音が響きました。

 

最初は何の音かと思ったのですが、どうやらそれは祖母の部屋から聞こえてくるのです。

ある晩、少し心配になったこともあり、そーっとふすまを開けてみました。

 

すると、お相撲さんのように四股(シコ)をふんでいるおばあちゃんがいるではありませんか!

 

おばあちゃん、大丈夫??そろそろお年で少し・・・?それとも私の知らない趣味が?

 

ほんのちょっとあんぐりして見ていたら、気付いた祖母が恥ずかしそうに頬を染めました。

「あら?音が聞こえちゃった?」

なんともかわいい祖母です。

 

何をしているのかきいてみると、これも健康法のひとつだとか。

 

身体には負荷をかけないと、歳をとるとどんどん弱くなるので、その歳なりの適度な運動が必要だと言っていました。

筋肉は、負荷をかけて、少し壊してあげると、それが修復する時に強くなるといいます。

90歳になると、走ってボールを追いかけて、というのもなかなか難しいので、自分に無理のない範囲の衝撃を骨と筋肉にあたえて

強く保ってきたいの、寝たきりにはなりたくないから、と話してくれました。

 

そうですね。介護はする方の大変さばかりがクローズアップされがちですが、される方だって大変です。

誰だってトイレくらいひとりで行きたいでしょうし。

いざとなれば祖母を介護する気もありましたが、口では言い表せないほどの大変さがきっとあるのでしょうし、なさっている方のご苦労は想像を絶するものだと思います。

老人ホームのボランティアには10代の頃に何度も行きました。その時の作業が大変だなあと思いましたが、きっとそんなお手伝いなど、ひとりで介護をすることに比べれば塵にように小さなものだったにちがいありません。

本当に祖母が要介護状態になったら、私にはできなかったかもしれません。

 

未来は誰にもわかりません。年齢順でもありません。

 

私だって明日寝たきりになるかもしれません。なってしまったら仕方が無いので面倒をみてくれる身内がいたらいいなと願うばかりですが、できれば元気に一生暮らしたいものです。

 

祖母は言っていました。おばあちゃんは、女学校で運動の選手だったの、と。

どう考えても老人になると一般的には身体は筋力も骨の強度も衰えますが、若いころに鍛えたものがベースになって、かつそれを衰えさせない努力をすることで身体を保つそうです。

 

ですから、若いころのベースも必要で、今から身体は少しずつ鍛えておかなくてはいけません。必ずしも10代や20代の若いころから始めなくてはいけないわけではありません。さすがに80歳、90歳から初めてトライするのは、その負荷がかえって身体を傷めないか心配ですが、高齢者と呼ばれ始めた年齢でも、いつからでも、今が自分の一番若い時です。ましてや30代40代ならまだまだ筋肉は増強できますし、身体のたるみにも良い影響をあたえて、美容にも良いと思います。

 

健康法は美容法。

これはるる子のモットーです。

 

強すぎないちょっとした衝撃がよい、と祖母はいっていましたので、やわらかいボールでバレーボールごっこでも今度してこようかと思います。

 

若い人でも現代は運動不足になりがちですし、何もしないよりは、寝る前に四股を踏んでみるのもいいかもしれません。